最近は“会社法”で裁かれる、高ストレス者が働き続けてうつ病になった場合、

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 厚生労働省 ・ ストレスチェック制度に関するマニュアル作成委員に聞く! ストレスチェック義務化対策、見過ごされている「経営リスク」とは?

 

 あらためてストレスチェック義務化の経緯を振り返ると、もともとはバブル崩壊以降の自殺・うつ病対策が始まりです。1998年から、それまで年間2万人台前半で推移していた自殺者数が急増し、毎年3万人を超すようになりました。

 その後、働く人のメンタルヘルス不調の問題が顕在化し、うつ病など精神障がいに係る労災の申請件数、認定件数も増加の一途をたどりました。これは何とかしなければということで、2010年から厚生労働省が方策の検討を始めたのです。

 当初の構想では、企業の定期健診の際にうつ病等のチェックを一緒にしてはどうかという案が検討されていましたが、うつ病学会など医療側から「うつ病か否かは健診だけではわからない」「エビデンス(科学的根拠)が担保できない」と強い反発を受けました。

 そこでさらに議論を重ねて、うつ病の早期発見が無理なら、うつ病にならないように予防すればいいのではないか、という発想に至ったわけです。

 要するに、病気の早期発見・早期治療で重症化を防ぐ、予防医学でいうところの「2次予防」ではなく、病気になる前の段階で病気を引き起こすリスクを発見・改善し、病気そのものを未然に防ぐ「1次予防」の対策として、ストレスチェック制度は考案されました。そこに大きな意義があります。

 

 1次予防は、すでにメタボリックシンドローム対策(特定健康診査・特定保健指導)で始まっています。メタボ対策で食習慣や運動不足などを見直し、生活習慣病を予防するのと同じように、心の問題についても、ストレスチェックで1次予防を図ろうというのが今回の法制化の目的です。

 先生が指摘されたとおり、決して「うつ病発見」のためではありません。にもかかわらず、企業の現場では、そこがよく誤解されているように思われます。

 

 企業経営の目線で見ると、逆に「病気を発見してからケアする」というスタンスでは、もう間に合わなくなってきています。というのも、高ストレス者などメンタルヘルスにリスクを抱えている人が働き続けてうつ病になった場合、近年の司法判断では、そうしたリスクの顕在化をもって「業務上疾病」と見なし、積極的に労災認定する傾向が強まってきているからです。

 

 しかも従来なら、そうした事案は安全配慮義務違反を問われ、労働契約法や労働安全衛生法などの問題として扱われていたのですが、最近は裁判所の判断に大きな変化が見られます。会社法が適用され、経営者個人の賠償責任まで問われてしまう。実際、企業と経営者が折半して賠償せよという判例が、京都地裁、大阪高裁、名古屋地裁などで相次いで出ています。これは本当に大変なことで、会社の根幹を揺るがしかねません。

 

 ストレスチェックを受けるか受けないかは、従業員個々の自由意思に任されています。実はここが大きなポイントです。つまり、社員が100人いて100人とも受けるとか、1000人いるのに10人しか受けないとか、その割合を受検率といいますが、ストレスチェックの結果以前に、そもそも受検率がどれくらいあるかということで、その会社の経営の“健康レベル”がある程度わかります。

 正しい回答を書いたら会社での立場が危うくなるのではないか、上司とトラブルになるのではないか――社員にそういう不安を抱かせるような職場環境では当然、受検率は上がりませんし、受けたとしても、その人は本当のことを答えないでしょう。

 そうなると、ストレスチェックを実施するのに費やした手間やコストが、まったくのムダになってしまいます。厳しい言い方ですが、このような状況に陥ると経営者として失格だと思います。

 この事象を最近注目されている「健康投資」の概念に照らし合わせると、自社の従業員の健康づくりという事業に投資しながら、回収できなかったわけです。

 投資である以上、企業はストレスチェックを導入することで、将来的に労災の申請が減ったり、社員の健康レベルが上がって業務の生産性が改善されたり、目に見える投資効果を出さなければなりません。

 その基盤として、つらいときにはつらいと正直に言えるような職場環境が整備されているかどうかがストレスチェックの受検率にまず表れることを、経営者は肝に銘じておくべきです。

 

 確かに、ストレスチェックを実施すること自体を目的ととらえてしまうことも企業が誤解しがちな点だと思います。本来、ストレスチェックは目的を達成するための手段として活用すべきものです。

 本来、組織や職場全体が良くなれば、個人の健康レベルもさらに良くなるに違いなく、そうなって初めて、健康投資に成功したといえるのですね。

 

引用元 : https://jinjibu.jp/article/detl/tieup/1312/

 

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