高プロ・裁量労働制に警鐘「過労死増える」

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 働き方改革関連法案の提出は先送りされたが、政府は来年の通常国会での成立を目指す構えだ。法案には残業時間の上限規制という労働者保護策だけでなく、過労死を誘発しかねない高プロや裁量労働制拡大が盛り込まれる。労働問題に詳しい弁護士らは「過労死は間違いなく増える」と警鐘を鳴らす。

 

 2013年、東京都内の男性(当時47歳)が心疾患で亡くなった。債券市場の動向を分析し、顧客にリポートを発信するアナリストだった。男性の労災申請手続きを担当した棗(なつめ)一郎弁護士(日本労働弁護団幹事長)によると、男性は裁量労働が適用されていた。事前に想定した労働時間(残業含む)に見合う賃金を支払う仕組みだ。

 

 政府や経済界は、働いた時間と成果の関連の低い仕事では裁量労働制や高プロのような規制緩和によって労働者の自由度が高まるとしている。

 

 男性の残業の想定は「月40時間」。だが、亡くなる直前の1カ月は133時間。過労死ライン(直前1カ月の場合約100時間)を大幅に超えていた。裁量労働制は、仕事の進め方や時間配分などを労働者の裁量に委ねる必要のある業務が対象だ。ところが、男性の場合、早朝出勤しても、「他の従業員より早く帰るな」と注意されたり、高熱でも出勤を命じられたりするなど裁量は実質的になかった。

 

 東京労働局三田労働基準監督署は15年、過労死として労災認定。申請から約1年がたっていた。裁量労働制は企業が社員の実労働時間を記録する必要がなく、実際の労働時間を割り出すのに時間がかかったからだ。棗弁護士は「上司の証言がなければ認定は勝ち取れなかった」と振り返る。

 

 厚生労働省によると、裁量労働制を導入する企業の割合(16年)は2~3%。一方、年200人程度が過労死・過労自殺(未遂を含む)で労災認定される中、裁量労働制の人は最近6年間で計13人にとどまる。専門家らは「長時間労働の証拠が少ないため認定されてないケースも少なくないはずだ」と指摘する。

 

 政府案は裁量労働制の対象をメーカーの企画開発部門などにまで拡大。高プロの対象には男性が務めたアナリストも含まれる。棗弁護士は「過労死を防ぐには退勤から出社までに休息を設ける勤務間インターバルの義務化が必要だ」と話す。【早川健人】

 

引用元:https://mainichi.jp/articles/20171030/k00/00m/040/111000c

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