
クアオルト構想に「健康経営」の追い風が吹き始めた。人材獲得、人手不足を背景に、従業員の健康維持向上を経営課題として意識する企業が増えてきたためだ。経済産業省が健康経営企業500社を認定する「ホワイト500」、経産省・東証が選定する「健康経営銘柄」も始まっている。
上山市と先駆けて協定を結んだ太陽生命は従業員のうちメタボ予備軍を中心に複数回、上山市に社員を送り成果を上げているという。クアオルトは、ドイツでは公的医療保険の対象にもなっており、太陽生命ではさらにクアオルトを全国の自治体に広げようと、日本クアオルト研究所(名古屋市)主催で自治体を表彰する「クアオルト健康ウオーキングアワード」の支援も始めた。
滞在型健康保養地づくりを進める自治体の集まり「日本クアオルト協議会」もある。2011年に大分県由布市、和歌山県田辺市、山形県上山市の3市が中心に「温泉クアオルト研究会」を設置したのが始まりだ。毎年のように新規加盟が相次ぎ、石川県珠洲市、新潟県妙高市、秋田県三種町、島根県大田市、群馬県みなかみ町、兵庫県多可町へと広がっている。
健康をテーマに、温泉や食、自然環境、伝統文化などの地域資源を活用し、地域住民や来訪者の健康増進を進める地域として確立させるヘルスツーリズム型の地域活性化のモデルケースづくり。これまでなかなか芽が出なかったが、企業が目を向け始めたことでようやく育ち始めそうだ。
引用元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2627660029012018L01000/
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