伊藤忠商事、新たな目標 ”健康経営”

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 「これまで利益至上主義できたが、単に稼ぐだけではだめや」。昨年5月、2016年度決算の説明会の場で、伊藤忠商事社長の岡藤正広(68)はこれまでの路線の転換を表明した。

 

 10年4月の社長就任以来、岡藤は商社4位から順位を上げることにこだわり、がむしゃらに利益を追い求めてきた。15年度には資源価格の急落で三菱商事と三井物産が最終(当期)損益で赤字に陥り、非資源事業を強化してきた伊藤忠は悲願の業界トップに躍り出た。

 

 しかし、16年度は資源価格の持ち直しを受けて、三菱商事が4403億円の黒字に回復し、底力を見せつけた。伊藤忠も3522億円と過去最高の利益を上げたものの、わずか1年で2位に転落した。三菱商事社長の垣内威彦(62)は首位陥落の際、「今度1位に復帰したら、二度と譲らないようにしたい」と意気込みを示し、資源価格の変動に大きく左右されないように経営体質の強化を進めている。

 

 岡藤は三菱商事との「2強時代」を強調するものの、商社で最も資源ビジネスに注力する三井物産も16年度に3061億円の黒字に転じ、伊藤忠に迫る。その状況で岡藤は「数字だけで競争するのはやめなあかん。収益拡大は目指すが、違う形ですばらしい会社を目指す」と、いきなり競争のルールを変えた。

 

 岡藤が新たな目標として力を入れ始めたのが「健康経営」だ。昨年8月、社員のがん予防や、がんになった際に治療と仕事の両立を支援する取り組みを開始。今年4月に横浜市内に開設する独身寮では、健康に配慮した食事を提供する。昨年秋、管理栄養士のアドバイスを受けながら、生活習慣の改善を図る社内プログラムに参加した繊維部門の森本匡史(37)は2カ月間で14キロの減量に成功し、「体調が良くなって仕事の効率も上がった」という。

 

 岡藤は「金メダルを取れば、次の目標が出てくるのは当然。社員が誇りをもって仕事ができるようにしたい」と、健康経営を打ち出した理由を語る。だが、最終利益を基準とする競争を持ち出したのは岡藤自身だ。トップ達成を社内外にアピールする姿を苦々しい思いで見ていた他商社からは「首位を維持するのは難しいと見て、まったく違う目標を打ち出したのではないか」(三菱商事社員)との見方が出ている。

 

 17年度の決算も最終利益は首位の三菱には届きそうもない。伊藤忠社内には「三菱の強さは別格」との声も漏れる。岡藤は「これだけ資源価格が上がるとちょっと(厳しい)」と認めるが、首位奪還をあきらめたわけではない。「時代の変化があればチャンスはある。そのうちまた勝つわ」

 

引用元:https://mainichi.jp/articles/20180322/ddm/002/020/063000c

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