労働生産性と価値向上

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 日本の労働生産性が他国と比べ低い、という議論をよく聞く。日本生産性本部が昨年12月に公表した「労働生産性の国際比較」によれば、日本の1人当たり労働生産性は経済協力開発機構(OECD)加盟の35カ国中で21位となっている。

 

 生産性の向上には、労働投入が効率的に財・サービスの産出に結びつくことが欠かせない。時間が長いだけで意味の薄い会議に従業員が拘束されていないか、上司が帰らないので何となく部下がオフィスに残っていることはないか、などを見直すことは「働き方改革」にもつながる。

 

 ただ、効率性の見直しだけでは不十分だ。同じ、あるいは少ない労働投入量で、量的により多くの財やサービスを生産しても、金額で測った生産増に必ずしも結実していないことが多いからだ。日本では「良いものを安く供給すべきだ」と考える企業が多い。社会貢献という意味合いでは素晴らしいが、価値を創造しても、その価値に見合う適切な価格を提示せず、廉売に走ってはいないだろうか。

 

 一方、手間をかける割には価値創造が不十分な点もあろう。「品質が良く多機能なものを作れば、売れるはずだ」といった、プロダクトアウトの発想が強すぎると感じる。顧客が必要としない過剰品質・過剰機能の製品を従業員が丁寧に作った結果、あまり売れない、ということでは生産性が上がるはずがない。

 

 非製造業の「おもてなし」も、きめ細かい対応が、顧客が支払う対価の増加をもたらすならよい。しかし海外投資家からは、「日本に出張して開店直後の商業施設に行ったところ、従業員が一斉におじぎをしていたが、それが売り上げ増につながるのか」と疑問を呈された。いかに顧客が喜ぶ価値を創造し、適切な対価を勝ち取るかも日本の生産性向上には必要だろう。

(ブーケ・ド・フルーレット代表 馬渕治好)

 

引用元:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29520220Y8A410C1SHH000/

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